待ち時間管理ゲームにプレイヤーも待たされる ザ・タワーDS

ザ・タワーDS

ザ・タワーDS

ザ・タワーDSをプレイ中.タワーDSはビル経営を題材にしたシミュレーションゲームで,住居やレストランなどを建設して利益をあげ,ビルを拡張していくのが目的.このゲームでクローズアップされているのは「移動時間のストレス」で,ビルが大きくなり利用者が増えると収入も増えるが,エレベータが混雑して利用者の待ち時間が増える.待ち時間が長いと利用者のストレスがたまり,ビルを利用しなくなってしまう.エレベータを増やしたり,人の流れがスムーズになるように各施設の配置を考えたりすることで待ち時間を減らし,「利用者の数」と「移動の大変さ」のバランスを上手くとるのがこのゲームの目玉となっている.
ゲームを始めると,まずは分譲マンションの経営を(というか建設から)任される.ここでは住居をひたすら増やすのが目的になるが,これに成功すると少しずつ任されるビルの規模や設置できる施設が増えて難易度が上がり,最後には50階以上の高層ビル経営を目指す事になる.
しかし,このステップアップの道のりで,プレイヤーである自分が「待ち時間のストレス」にさらされることになった.ビルを拡張するには資金が必要で,収入はビルの拡張で増えた利用者から得る.ビル拡張→収入→再拡張の流れがゲームの基本になるが,再拡張にはまとまった資金が必要で,貯まるまでは時間が経過して収入が入ってくるのを待たなければならない.このゲームは時間の概念があり(時間によって人の流れが違う)時間の流れを早くする事はできるが,スキップする事はできない.すると,1分や2分は画面の前で何もせず待つという状況になり,これが頻繁に起きた.
最後の高層ビルまで来ると,この待ち時間が次の拡張計画を練るのにちょうど良いのだが,そこにたどり着くまでの(おそらくチュートリアルを兼ねた)小規模ビルの経営では待ち時間がただ退屈である.こういうタイプのシミュレーションではある程度避けられない問題であるが,ゲームの内容が「待ち時間をいかに減らすか」というものであるだけに,プレイヤーが待ち時間に悩まされるということが気になってしまった.