The Tower DS おまけ お父さんのためのゲーム企画講座 その1 着想編

ザ・タワーDS

ザ・タワーDS

ゲームのおまけといっても,124ページのちゃんとした文庫本.ただし,前著『ハンバーガーを待つ3分間の値段』などから採録された内容も一部含む.
「ハンバーガーを待つ3分間」の値段―企画を見つける着眼術 (幻冬舎文庫)
ゲームとは「目的をひとつにしたかけひき」である.世界をある偏った切り口で縛ることによってひとつの言語体系を作り出し,何かの価値を明確にする事がゲームの基本であると説明する.企画の着想は「誰もが知っているが,しかし実は全然分かっていない事」から始まり,企画者の仕事とは
それは企画者が「おもしろい」と感じる理由を論理的に説明できるようになことです。
ゲーム本編であるザ・タワーでは,著者は「エレベータで待たされるとイライラする」ということをゲームにしてしまった.この本の中で,著者は企画中のゲームプランをネタバレして,もう一度この「現実の切り取り方」について説明している.

現実をどこから切り取って,それをいかに人に説明するか.そのために示すべき情報と,捨てるべき情報は何か.人の役割は何で,コンピュータの役割は何か.この本で書かれていることは,研究のテーマを追いかけるやり方に通じていると感じた.それは,この本よりも本編であるザ・タワーの説明書の最初に示されている.

やがていつしか、この興味深い知識は大学の研究室の奥にしまいこまれたり、官公庁の資料として眠ってしまうようになってしまいました・・・。専門書というのは「難解」の代名詞ですが、しかし実はワクワクする事が多いのも事実です。文字で表現するから難解になってしまうだけなのです。(中略) こういった知識を、コンピューターという動的なメディアを使ってわかりやすく伝えたい・・・。それが私たちデジトイズのテーマです。