嘘も方便、嘘は嘘

タイトルは釣り,って言うか語呂で.

表現と性差別の話題について,まあ中身の詳細は理解が追いつかないと言うか,『表現の自由を脅すもの』が近くの図書館にあると調べたのにまだ借りていないあたりで脱落.って感じだけども.(まあ,後は自分なりのペースで見ていくということで)

地下猫さんの,最近のエントリでの主張からすると,結論としては「性を扱ったフィクションと性差別(とその被害者)は切り離せない事を頭の片隅においておけ」という事なんだろう.(直接にそうとは書いていないけど、”「表現者に特段の『配慮』は求めない」かつ「差別問題にコミットする」という事なので,これに相当するような内容だと解釈.)

始めから一貫してそう主張していたんだとして,そうすると地下猫さんの一連のエントリはものすごく「荒っぽい」よね,と思った.それはもしかすると,2chや増田,その他ネット上で無自覚に差別的な発言をしているような,地下猫さん流に言えば”自由にタダ乗りするガキ”への牽制としては有効かもしれない.タイトル通り,「嘘も方便」に近い感覚として.

でも,フィクションと差別の問題は常に頭にあって,現実の認識や「じゃあどうするか」という話をしたいね,という段階になると,ちょっと目が粗すぎて漏れるものが多すぎると思う.sk-44さんとかNaokitakahashiさんは,「そんなことは先刻承知」だからこそ,「その先」の話だと思ってやり取りしていたら,「一人一人の心がけ」の段階の話だと言われて「それだったら特に言う事ないや」となった,と思う.


内容についての感想はまあそういう感じなんだけども,個人的に引っ掛るのはこの議論が「疑似科学批判の応用」的な形でやっている,と表明している部分で.
少し前に地下猫さんが法学の話題でapjさんを批判していたけども,今回は地下猫さん自身がその位置にいるなあ,という感覚がある.
「どこから見ても黒いものを叩く」とどこかで地下猫さんが言っていたのだけども,それはどういう意味なのか.この場合,黒いのはポルノだとして,じゃあ白いのは何で,グレーなのは何なのだろう.(例えばサザエさんなのか?)
どうもそれが疑似科学批判の文脈からは出てこない気がして,普段の地下猫さんのエントリを見ているだけにやるせない感じがする.この辺はもう少し具体的に整理してみたいが,手に負えるだろうか.